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新しい血液検査と研究

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血液の酸化の程度を調べる検査

私たちは酸素を吸ってエネルギーを作っています。しかし、この酸素の一部は「活性酸素」と呼ばれる物質に変わります。活性酸素は適量であればエネルギーの元であり、殺菌作用や免疫能にプラスに働きます。逆にこれが過剰になると、深刻なダメージをもたらします。体の細胞や組織をサビつかせてしまい、老化を早め、さまざまな生活習慣病を招くもとになります。

この「サビつき度」を調べるのが酸化ストレス測定検査です。FREEシステム

活性酸素・フリーラジカルは、短い寿命と高い反応性のために、血液中の酸化レベルの測定は非常に困難でした。

クリニックではFREEシステムにより正確に測定します。方法は、簡単で、血液検査だけです。

来院された方のデーターを分析して、以下のような報告をしています。詳しくはニュースをご覧ください。

  • *コーヒーを3杯以上飲用すると酸化ストレスが低下する(Wiener Klinische Wochenschrift, 2015)
  • *更年期障害がひどい方は抗酸化力が低くなる(Climacteric, 2013)
  • *低用量ピルは酸化ストレスを増加させる(International J Preventive Medicine, 2013)
  • *閉経だけでは酸化ストレスは増加しない(日本女性医学会誌、2011)

無症候性脳梗塞のリスク判断、アクロレイン測定検査

自覚症状がない小さな脳梗塞を"かくれ脳梗塞", または"無症候性脳梗塞"といいます。 "かくれ脳梗塞"の方は , 脳卒中 , 認知症になりやすいといわれています。

無症候性脳梗塞は症状のない脳梗塞で、脳の血管がつまって脳組織の一部が死んでしまったものです梗塞の殆どは脳の深部の小さな梗塞です。年代別には50歳台で5.3%, 60歳台で18% と加齢と共に増加すると報告されています(島根難病研究所脳ドックデータ)

無症候性脳梗塞を認めた人の脳卒中発症率は梗塞のない場合に比べて、約8.8倍と高いこと、また、認知症になるリスクも2倍になるとの報告があります。

脳梗塞の診断には脳のMRI検査で判定しますが、この新しい検査方法では、細胞に障害を与えるアクロレインという物質と、炎症マーカー2種を測定するだけです。

アクロレインは脳梗塞の患者さんの血液で増えることが知られている毒素です。この写真はマウスの脳の実験ですが、活性酸素よりもアクロレインの方が脳の阻血状態が強く、より脳梗塞の状態になっています。マウスの脳

リスク評価は、「血液分析」だけで、かくれ脳梗塞の可能性を探る簡便な検査です。
血液を5ml採血するだけで、簡単に検査できます。
約85%の精度で無症候性脳梗塞を検出できるとされています。アクロレインと脳梗塞リスク

脳梗塞、心筋梗塞の10年後のリスクを判断するLOX-index(ロックス・インデックス)検査

動脈硬化は悪玉コレステロールが多いために起こると言われています。しかし、実際には悪玉コレステロールが錆びついた状態となって、初めて動脈硬化が始まるのです。この動脈硬化の初期段階を見るのがLOX-indexR(ロックス・インデックス)検査です。

脳梗塞や心筋梗塞になる危険性は悪玉コレステロール(実際には悪玉コレステロールが錆びついた状態)が高く、善玉コレステロール(同様にHDLコレスレロールと記載)が低い事から推し量ることが出来ます。しかし、悪玉コレステロールがたとえ低くてもその31%は心筋梗塞を起こしてしまうと言われています。(出典:Atherosclerosis 203(2009) 587-592)

ロックスインデックスという新しい検査法は、動脈硬化の原因物質である変性LDL(錆びついたLDLコレステロール)と、これが結合する血管壁のLOX-1というタンパク質を血液検査で測定するものです。

ロックス・インデックス検査は難しい検査ではありません。採血のみになりますので、すぐに終わります。

報告書ではリスクのレベルをわかりやすいグラフで記載しています。
今回、前回、前々回など自分が今グラフ上のどの位置にいるかすぐに把握できます。

軽度認知障害を判定できるMCI検査

認知症と通常の加齢に伴う物忘れの間にあたるグレーゾーンの状態をMCI(軽度認知障害)といいます。

認知機能が低下していても認知症というわけではありません。認知機能はお酒を飲んでも下がりますし、うつやストレスでも下がります。

この状態は認知症に移行する可能性のある脳の状態と言えます。認知機能(記憶、決定、理由づけ、実行など)のうち1つの機能に問題が生じてはいますが、日常生活には支障がない状態です。例えば、昔から知っているものの名前がでにくい、最近の出来事をすっぽり忘れることがある、気分のむらがおおきくなった、といったちょっとした変化と言われています。

認知症ではない状態とされていますので、病気ではありません。しかし何らかの原因で認知機能が低下しています。この状態から年15%の方が軽度の認知症に移行すると考えられていますが、一方14-44%の方は無症候期に戻ることも知られています。MCIイメージ

現在治療や投薬により認知症の進行を遅らせることはできても、一部の場合を除き完治することはできません。そのため、MCIの段階で認知機能の低下にいち早く気づき、予防対策を行うことで症状の進行を阻止することはとても大切です。

このため、MCIの早期発見が重要となります。現在では、問診による検査、血液による検査、髄液の検査などが可能ですが、最近ではMCIのスクリーニングとして血液検査が、簡便で正確性の高い方法として行われるようになっています。

MCIスクリーニング検査

この検査は、アルツハイマー病とMCIで血液濃度が変化する3つのタンパク質マーカーを組み合わせ、認知機能障害への程度を推定するものです。この3つのタンパク質は、アミロイドベータペプチドを脳内から排除し、その毒性を弱める仕組みに関わっており、アルツハイマー病やMCIの患者はその数値が低下します。

この検査は採血だけです。簡単にすぐに終わります。

クリニックではMCI検査と同時に酸化ストレス検査も行い、MCIの予防に役立つようにしています。