TOP > 更年期の健康維持と遺伝子診断 > 2) 女性ホルモンの変化は酸化ストレスに影響する
更年期と血管
更年期障害は血管の病変の始まりを感じさせる状態とも言えます。
女性ホルモンは血管の柔軟性に関わっていますので、ホルモンが低下すると血管が拡がりにくくなってきます。これを何とかして広げようとするため、のぼせ、発汗が起こってくるのです。この変化は神経分泌により起こるので、この神経が分布している顔、頭、首などの上半身に症状が起こります。

血管が拡がりにくいと血管の内皮細胞の機能が低下します。この時に強い酸化ストレスを受けると、血液の流れが悪化します。極端になると、狭心症、心筋梗塞などの血管イベントが急に増えることになります。動脈硬化の始まりです。 最近ではタバコを吸う女性も見かけますが、女性の場合喫煙による酸化ストレスの影響は男性以上に強く現れる可能性があるので、要注意です。
そこで、この時期に酸化ストレスの影響がどのようになっているか検査することは、健康維持、アンチエイジングの観点から非常に重要です。
クリニックではCFRAS4という機械を用いて血液中の酸化ストレス度、抗酸化力の判定をしています。
酸化ストレスの測定方法
呈色液クロモゲン、N,Nジエチルパラフェニレンジアミン(DEPPD:FRAS開発元特許の芳香族化合物)はフリーラジカルにより酸化されると、無色から赤紫色のラジカル陽イオンになります。そこで紫色のラジカル陽イオンを光度計で計測し、ヒドロペルオキシドの量を定量化して酸化ストレス度を測定します。
抗酸化力の測定方法
三価鉄塩FeCl3は、あるチオシアン酸塩誘導物を含む無色の溶液に溶解すると三価鉄Fe3+イオンにより赤くなります。これに、血漿を添加すると血漿中の抗酸化物質の作用で二価鉄Fe2+イオンに還元され、脱色されます。この色調の変化を光度計で測定し、血漿の抗酸化力を評価します。
動脈硬化の新しい検査法 LOX-index
酸化ストレスを受け、血液の流れが悪化するのが動脈硬化の始まりです。これが長い間に心筋梗塞や、脳梗塞の発生につながってきます。 そこでクリニックでは、酸化ストレスが強くなってきた時期に、新しい検査法の一つ、LOX-indexを測定することにしています。 この検査法は、国立循環器病研究センター研究所の沢村達也部長が開発した方法です。この検査により、将来の心筋梗塞や、脳梗塞の発生の発生リスクを検証することができます。(lox-index.com/)

脳梗塞のリスク検査
無症候性脳梗塞は症状のない脳梗塞で、脳の血管がつまって脳組織の一部が死んでしまったものです。
梗塞の殆どは脳の深部の小さな梗塞です。年代別には50歳台で5.3%, 60歳台で18% と加齢と共に増加すると報告されています。(島根難病研究所脳ドックデータ)
無症候性脳梗塞を認めた人の脳卒中発症率は梗塞のない場合に比べて、約8.8倍と脳卒中の予備軍になりますが、認知症になるリスクも2倍になるとの報告があります。
脳梗塞リスク評価は、「血液分析」だけで、かくれ脳梗塞の可能性を探る"安価・簡便"な検査です。
この新しい検査方法では、細胞に障害を与えるアクロレインという物質と、炎症マーカー2種を測定するだけです。
血液を5ml採血するだけです。
問診に記入いただきます。
結果は約2週間で分かります。
(www.amine-pharma.com/)