TOP > 子宮癌の診断と日帰り手術 > 5) 癌研増渕式子宮体部細胞診
子宮体部から細胞をとってくるのが子宮体癌細胞診です。細胞を採取するには色々な器具があります。
私のクリニックでは癌研病院の故増渕一正院長が開発した増渕式吸引子宮体部細胞採取器具を用います。この器具の特徴は細く、やわらかいチューブでできていることです。

上図は子宮内膜細胞診のイラストです。吸引式ではチューブに数個の穴があり、ここから細胞が吸引されます。
検査は細い管を子宮の内膜まで挿入し、内膜表面を吸引して細胞を採取します。吸引細胞診という方法です。
この方法の特徴と利点は、
- 細胞を取るときに痛みがあまり無い、
- 検査の後の出血が少ない、
- 吸引することで、子宮内膜だけでなく腹膜の病変が診断できることがある、

問題点としては、吸引される細胞が少なく診断が困難になる場合があることです。特に閉経後で子宮が萎縮した女性、子宮からの出血が多い女性では、内膜細胞が採取できないことがあります。(←左写真:子宮体癌細胞診の器具。 やわらかいチューブです)