TOP > クリニックのがん診療 > 2) 血液の腫瘍マーカー検査
遺伝子が異常になると異常なたんぱく質が作られてきます。このタンパクレベルの変化を血液検査で捉える研究が積み重ねられてきました。
腫瘍マーカーはその重要な検査法の一つです。
腫瘍マーカーとは正常細胞ではほとんど作られないたんぱくです。がんの発生臓器と関連性が強いので、血液中にこの物質があると、マーカーと関連する臓器にがんがあると推定されます。腫瘍マーカーには、CEA、CA125、CA199、PSA、AFPなどがあります。Cは抗原(antigen)の略称、Pはたんぱく質(protein)の略称です。血液検査を受けた場合、その測定結果の横に必ず健康な人の基準値の範囲が記入されています。腫瘍マーカーに基準値があるのは、このマーカーも健康な生体で作られているからです。このため、腫瘍マーカーが陽性であってもがんがあるわけではありません。また陰性でもがんがないとも言えないのです。
腫瘍マーカーは癌の補助診断、進行状態の判定、治療効果の判定、経過の観察などに有用です。しかし先に述べた問題点もあることから、(1)腫瘍マーカーだけでは癌を発見できません。あくまでも画像診断などの補助判断となる検査です、(2)腫瘍マーカーは癌以外の病気でも高値になることがあります、たとえば喫煙者ではCEAが高くなることが知られています。(3)腫瘍マーカーは癌が進行しないと高値にならないことが多いので早期診断には限界があります。

独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター作成図より引用
ganjoho.jp/public/dia_tre/diagnosis/tumor_marker.html
